筆者のプロフィール画像に興味はないかもしれませんが、画材は100均が中心、技法はグリザイユと聞いて少しだけでも関心が湧いた方は読んでみてください。
画材については前編で紹介しました。
(前編はコチラ)
100均が主です。
今回はグリザイユ技法について書きます。
グリザイユはカマイユとも言って、白黒などの単色で描くことを指します。
厳密には白黒の場合と、白茶色の場合で呼び名を変えるみたいですが、別にそこまでこだわらなくもいいと思います。
今回は白と茶色で描きました。
なんで、わざわざこれを解説するかというとですね、初心者の方のステップアップにすごく便利だからです。
絵の練習というと大抵は鉛筆デッサンから入ると思います。
ある程度の数をこなして、そろそろ絵の具で描きたいと思って、水彩絵の具やアクリル絵の具、または油絵の具を使うと、皆さん最初の挫折を味わうはずです。
なんでこんなに思い通りに描けないんだ、と。
その理由は以下です。
画材: 鉛筆 → 筆
色: モノクロ → フルカラー
やるべきことが一気に増えて難易度も上がるからです。
鉛筆から筆になると、まず筆圧の幅がメチャクチャ広がります。
力の入れ具合ですぐ変わるので、一定の細い線を長く引くのは苦労するのではないでしょうか。
鉛筆でそんな苦労しなかったはずです。
色に関しては、鉛筆は濃く塗るか否かだけだったのが、いきなりフルカラーになるし、さらには混色の知識も必要になってきます。
混色で狙ったとおりの色を作れるようになるには、けっこう大変です。
溶くときの水の量は、「ほとんど使わない濃さ」~「水をいっぱい使う淡さ」まで選択肢が広すぎです。
やるべきことが一気に広がり、分からないことだらけで混乱する人もいるんじゃないでしょうか。
その点、グリザイユは楽です。
色は単色なので陰影を付けるのが楽です。
フルカラーでやると、ちょっとずつ黒を混ぜればいいだけではないときがあります。
黒を混ぜるとベタッとそこだけ沈んでしまう場合は、別の色を混ぜなくてはなりません。
グリザイユは2色しか使わないので、その点は楽です。
石膏デッサンを鉛筆の代わりに筆でやる感覚です。
筆使いや陰影、グラデーションの付け方に慣れてからフルカラーにステップアップすると階段を少しずつ登る感じがして、心が折れる確率も減るはずです。
鉛筆画のときは明暗のコントロールがうまくてきてたのに、絵の具を使うようになると全然ダメだ、という人はグリザイユ技法を試してみてください。
アクリル絵の具なら、まずグリザイユで完成させた上に、重ね塗りで着色できるので、全体の明暗をコントロールしやすくなります。
よかったら、お試しください。
(今回は以上です)