「ふざけてないです。真面目に不真面目をやってるんです」と言っても、実社会では厳しいですよね。
でもアートではそれが許されます。
それがないと寂しいくらいです。
頭をハンマーで殴られたような、そう来たかみたいな、もしくは新しい視点や発想を感じさせてくれる作品は、従来の系譜を真面目になぞるだけでは生まれないでしょう。
画期的であればあるほど鑑賞者はポカ~ンってなっちゃいますよね。
理解できなくて、受け入れられなくて、場合によってはバカにしたり、怒り出す人もいたりするかもしれない。
もうそこは勇気ですよね。
突き進んで、突き抜けるしかない。
水玉模様で有名な草間彌生さん。カボチャに水玉模様のオブジェが有名ですが、平面で水玉だけを描いた作品も多いですよね。
水玉を描いて高値で取引されるならいいよなと思った人も多いかもしれないですね。
でもそんな単純な話じゃないみたいなんです。
草間さんは水玉でなくてはならなくて、描かざるを得ないものがあるみたいなんです。
もちろん彼女は不真面目をしている訳でもないし、ふざけてる訳ではもっとない。
描かざるを得ないものがある人は強いです。
遠くへ、高みへいけます。
そんな強いものがない凡人はどうすればいいんでしょう?
真面目に技術を磨いて、写実的に描けるようになれば人から褒めてもらえるかもしれない。
それが自分に合ってるならいいんですけど、そうじゃないなら自分は解放されない。
そういうときは「真面目に不真面目」をやるのも1つの方法ですよね。
いや、ムリにしなくてもいいんですけど。
パロディ的に不真面目にやるのは、ふざけてるように見えるかもしれないのでリスキーかもですね。
自分で見つけた何気ないモチーフを不真面目にいじくって描いてみたらどうでしょう。
バカにされたり、呆れられたり、子供じみてると言われたり……それらを覚悟した先に自由があって、自分も解放できるかもですね。
どのみち全員に褒められる作品なんかないし、絶対誰かはケチつけてくるし。
開き直って、好き勝手やったもん勝ちじゃないでしょうか。
(今回は以上です)