まず結論的なものを書いてみます。
芸術家と画家、アーティストの一般的な言葉の意味です。
芸術家……画家、彫刻家、写真家、音楽家、舞踏家などの芸術活動をしている人。
画家……絵を描いて売ることを職業としている人。
アーティスト……画家、彫刻家などの旧来の言葉に収まりきれない芸術、たとえばインスタレーション(空間芸術)などを含めたより広い意味の芸術家のこと。
近年はミュージシャンの代わりに使われることも多い。
もう少し噛み砕いて説明してみましょう。
今回は目次を作ってみました。
1.画家について
2.芸術家とアーティストの違い 3.アート(Art)の語源、定義 |
それでは個別に解説していきます。
1.画家について
芸術家という大きなグループの中に画家がいます。
最近の画家は2次元の絵を描くだけではなくなりつつありますが、やはり絵というのはアナログ/デジタルの違いはあっても形式が限られています。
デジタル専門のプロの画家も出始めていますが、従来の紙やキャンバスに描くタイプが圧倒的に多くなっています。
壁画は二次元なので画家ですが、オブジェや立体物に着色するのは画家の範疇を超えているような気がします。
インスタレーションという空間芸術は絵でもないし、彫刻でもない。
だから芸術家、もしくはアーティストとしか言いようがない。
そういう意味でも画家は限られたジャンルの表現手段で創作する人ということになります。
2.芸術家とアーティストの違い
辞書的にはほぼ同義語ですが、アーティストのほうが何となく今風でカッコイイというイメージがあります。
近年は音楽関係でも使われるようになって、ミュージシャンが死語になりつつあり、代わりにアーティストと呼ぶのが流行っています。
その一方で演歌歌手はミュージシャンともアーティストとも呼びません。
カタカナ語ではイメージがおかしくなるので使われないようです。
芸術家と似た美術家という言葉もあります。
画家のことを作家と呼ぶこともあります。
どういう呼称で呼ぶか、または自ら職業を名乗るときにどれを使うかは、結局その言葉を使う人に任されています。
自分のことをアーティストと名乗るのがイヤと思う人もいれば、そうでなければならないという人もいます。
従来の伝統的な業界に属する人は画家、作家、美術家と呼ばれたり、名乗ったりするのに対し、古いしきたりに反旗をひるがえすアンチだったり、独立性や革新性を自負している人はアーティストと呼んだり呼ばれたりするのを好むようです。
またアーティストという言葉は輸入語であり、根源的な部分や由来を日本人の多くが理解していません。
ですので、従来の凝り固まったイメージとは違う分野に挑戦する人には新しい呼び名であるアーティストがふさわしいのではないでしょうか。
次回、アートやアーティストという言葉の根源的な部分や由来を考えてみましょう。
(つづく)