野外クロッキー(速描きスケッチ)の途中、とある公園で「う~ん、面白いものないなぁ」と思ってしまいました。
描きたいものがなかったんです。
これは自分の「美を探すトレーニング」だと言い聞かせたんですが、どうもピンと来ませんでした。
そんなに大きくない公園でしたし、母子連れが遊んでいたので視線が気になったというものありました。
木の枝ぶりは下から見上げると、エネルギーを放出しているように見えるし、静かなパワフルさを感じるんですけど、その公園ではそういうのもなかったんです。
どうにも見つからず、寒いのもあって移動することにしました。
何か美を見つけられず、負けた気分です。
野外クロッキー(速描きスケッチ)は1枚3~8分間くらいでボールペンで描きます。
大した時間じゃないし、失敗上等と思っているので、描き捨てるくらいのつもりでテキトーに選んでもよかったんですが、どうにもこうにもピンと来なかったんです。
で、移動した先の公園もそんなに広くないし、とくに目立つような物もなく、ココでも描けずに移動したら本当に負けだなと思いました。
仕方ないので入口の正面にある葉っぱのない木の枝ぶりを描くことにしました。
描き始めるとすぐに面白さに気づきました。
全部の枝別れが∪の字になっているんです。
二股のフォークみたいな形で、さらに全部が上を目指しているように見えました。
実際は横とか下方へ伸びている枝もありました。
一般的によくある枝分かれは直線の太めの枝があって、そこから交互に左右へ伸びていますよね。
そうじゃなくて直線で伸びた先で∪字型に枝分かれしているんです。
枝分かれして伸びた先も∪字型に枝分かれしている。
それが延々と繰り返されるので木の上部は枝が密集してゴチャゴチャしているんですけど、1つ1つを分解して見ると、全部が∪字型に枝分かれしているんです。
木の個性っていうんでしょうか。
へ~とか思いながら、クロッキーしていました。
他に面白いものを見つけられなかった公園なので、2枚目はその木の上部をアップで描きました。
何とか2枚描けてよかったです……というオチじゃないです ^^;
「描きたいものが見つからないとき、それは怠慢である」。
これは筆者が今、考えた格言らしきものです。
「それは感性が衰え始めているからである」とか、「それは〇〇である」みたいに何とでも付け足せます。
描きたいと思えるモチーフが見つからないのは自分のせいと肝に銘じていれば、なんとかひねり出せるはずです。
実際、描き出したら意外と面白かったりします。
億劫がらずに、とりあえず描き始めるというのもいいかもですね。
(今回は以上です)