創作意欲はあるのに、何を描けばいいか分からなくて困ったことはありませんか?
絵のネタやテーマに困ったとき役に立つかもしれないアイデアをなるべく多く掲載します。
今回は「いい景色の絵、風景画」についてまずは列挙して、その後で考察してみましょう。
とりあえずザーーッと並べてみます。
詳しく知りたい方は後半の解説、考察も読んでみてください。
1.いい景色の絵のアイデア一覧
以下は、代表的な景色の絵の一部です。
山の風景 - 山岳地帯、山脈、雪山、滝など 夕暮れの風景 - 夕焼けや夜景など、美しい色彩を描いた風景など これらは代表的なものですが、絵画のジャンルやアーティストの個性によって、より多様な景色の描写ができます。 |
2.解説、考察
それでは1つずつ解説、考察してみましょう。
①山の風景 - 山岳地帯、山脈、雪山、滝など
同じ山でもいろんな表情を見せてくれます。
季節なら青葉の茂る頃、紅葉、枯葉の頃、冠雪、雪山などがあります。
見る距離によっても濃い緑→青緑→青→薄い青→薄い灰色と変化していきます。
時間によっても色は異なります。朝日、昼頃、夕焼けの頃など表情が異なります。
折り重なる山々は遠くにいうほど薄い色になり、絵に奥行と広がりをもたらしてくれます。
山は山岳信仰の対象となっている場合もあり、そうでなくても地元の人に愛される存在だったりします。
山全体を描くのもあれば、中に分け入り、内部や頂上からの眺めも考えられます。
山を一生のテーマとして追い続けた画家もいるくらいですから、サ~っと素通りするのはモッタイナイ。
ぜひ掘り下げてみてください
②海の風景 - 海岸線、港、船、海の生物など
海岸線は海水浴のビーチもあれば、遠くからみた湾曲する入江と砂浜もあります。
季節によって賑やかだったり、人のいない寂しさだったりします。
海に突き出た岬とか突堤は視線誘導の効果があるので、その先に何かがあると面白くなります。
船だったり、変わった雲だったり、朝日や夕日もいいかもしれません。
港、船に関しては旅情を感じさせます。漁船であれば逞しい海の男を想像させます。
ヨットハーバーはオシャレで落ち着いた雰囲気を醸し出します。
スキューバダイビングの経験者は海中を描くのに有利かもしれません。
一般の人の知らない美しい世界を伝えられるでしょう。
③都市の風景 - 都市の街並み、建物、公園、橋、交通など
ガラス張りのビルは近未来的な雰囲気、または無機質な寂しさを表せます。
建物だけでなく行き交う人々も描けば、都会のエネルギーを表現できます。
都会は殺風景と思ってしまうと、そう見えてしまいます。
人々の欲望と希望が渦巻く街と思えば、そんおイメージにふさわしい場所に出会えます。
都会の隅の公園やちょっとした林などは人々の憩いの場となっています。
散歩をすれば、下町のどこか懐かしい風景を見つけられるかもしれません。
また洋館や教会などのちょっとおしゃれな建物も見つかるかもです。
橋や川は単なる風景と思えばそのとおりですが、昔は村と村をつなぐ交易の重要な場所だったはずです。
橋は架け橋という言葉もあるくらいですから、思いをつなぐ象徴として描くこともできます。
自然の風景 - 森林、草原、野生動物、花、季節の変化などが描かれます。
室内の風景 - 家屋や建物の内部、部屋のインテリアや家具、人物などが描かれます。
これらは代表的なものですが、絵画のジャンルやアーティストの個性によって、より多様な景色の描写がされています。
④夕暮れの風景 - 夕焼けや夜景など、美しい色彩を描いた風景
夕暮れは黄昏(たそがれ)ともいい、元は「たれそかれ」(誰そ彼)から来ています。
薄暗くなり、顔が分からない時間帯は昼と夜の境目で、物の怪(もののけ)が現れる頃ともいわれていました。
キレイな夕焼けを描くだけではつまらないと考える人は夕闇迫る頃の怖さ、寂しさを表現するのもいいかも。
⑤農村の風景 - 田園や畑、農家など
農村出身でなくても、田舎の風景や原風景は誰にも郷愁を感じさせます。
田植えの頃や青々とした田んぼはそれだけで癒されますし、刈り入れの頃は豊かさ、天の恵みを感じさせます。
⑥城や宮殿の風景 - 歴史的な建造物や庭園など
歴史的な建造物を描くときは簡単でいいですから、その時代背景を調べておくと、絵に深みが出ます。
豪華で立派なお城や宮殿も主が最終的に悲惨な末路を辿った場合もあるので、盛者必衰とか人生の悲喜こもごもとか色んな感慨が絵に微妙に表れるかもしれません。
インドのタージマハルは左右対称で美しい宮殿で有名です。
愛する妻のために建てたのですが、あまりの巨額な建造費用のため国が傾いたのだとか。
⑦空の風景 - 雲、星空、日の出や日の入りなど
空はいろんな表情を見せてくれます。
空そのものを主役として描くのもいいですが、心象風景として利用する方法もあります。
不穏な雰囲気や不安に怯えているなら黒い雲や強い風が使えます。
入道雲を描けば夏の、羊雲を描けば秋の表現になります。
日の出はポジティブでエネルギーを感じさせます。
夕日は穏やかな幸せを感じさせます。
星空をそのまま描いても表現が広がらない場合はキャンプファイヤーをして楽しんでいる場面や、焚火を囲んで静かに語り合う男女を描くという方法もあります。
⑧水辺の風景 - 川や湖、滝、渓谷など
人間は本能的に水を求めますので、水辺の風景は癒されます。
大きな川は豊かさや穏やかさを象徴できますし、小さな川は平凡な日常や素朴さを表現できます。
滝や渓谷などは清々しさや瑞々しい雰囲気を表せます。
滝は風水的にも優れた場所であり、龍神が潜んでいるとも言われるので、開運招福や縁起のいい絵になれるかもです。
補足
絵のテーマ探しは自分探しと似ています。
探そうと思えば延々と永久に続けることができます。
壮大な構想の素晴らしい絵なんて夢を見ないで、手近なテーマでまずは「落書き」から始めてみましょう。
完璧なコンセプトやテーマが決まってから描き始めるのでは、いつまでたっても描けません。
コツは「走りながら考える」「描きながらドンドン修正していく」です。
絵を描くテーマやアイデア探しの一助になれば幸いです。
今回は以上です。