抽象画は気の向くままでいいと思っていたら意外と描けなくて、何を描けばいいか分からなくなって困ったことはありませんか?
絵のネタやテーマに困ったとき役に立つかもしれないアイデアをなるべく多く掲載します。
今回は「抽象画のアイデア」についてまずは列挙して、その後で考察してみましょう。
とりあえずザーーッと並べてみます。
詳しく知りたい方は後半の解説、考察も読んでみてください。
1.抽象画のアイデア一覧
カラフルな幾何学模様
自然のエレメント 感情の表現 ★★★ 文字や記号の使用 テクスチャーの利用 色のグラデーション ラインアート デジタルアート キャンバスの形状 超現実主義
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2.解説、考察
それでは1つずつ解説、考察してみましょう。
①カラフルな幾何学模様:
色と形の強調を通じて、幾何学的な模様を組み合わせたカラフルな抽象画を作成してみましょう。
角度や線の方向、形状のサイズや位置など、細かいディテールにもこだわってみると良いでしょう。
幾何学模様とは、 円、楕円、直線や三角形ほか多角形などの形を. 平行移動、反転、回転、色の変化、拡大・縮小、分割などの変化を加えながら反復させて作った模様です。
ハート型みたいな形を連続にしてもいいですし、鍵とかコップとか何かの形を規則的に並べるのもいいですね。
キャンベルスープの缶を連続して描くのは、アート界に衝撃を加えました。
ポップアートみたいにカラフルにすれば部屋に飾ってもキレイで楽しいですよね。
特定の形ではなく自分で作った新しい形や記号を何度も反復するのも面白そうです。
②自然のエレメント:
例えば、木の葉や枝、花、岩、水滴などを描いて、自然の美しさを表現してみると良いでしょう。
また、自然の中に存在するパターンや色彩の組み合わせを参考にしてみると、より自然な抽象画を作ることができます。
同じ花を何度も規則的に並べるというのもあれば、茶畑みたいに整然と並べて描くのもいいですよね。
水滴を大小組み合わせて何個も描くのもあれば、規則的に並べるのもアリです。
③感情の表現: ★★★
抽象画は、感情を表現するための媒体としても使用されることがあります。
感情の表現を試みる場合、暗い色合いやシャープな線、強いコントラストを用いることがあります。
また、形やパターンにも感情を込めて、自分の内面を表現することができます。
形のないものを表現するのは抽象画の得意分野です。
感情の他に音とか、味とか、匂いとか。
それに平和という概念だったり、前向きとかポジティブとかの指向や思考というのもありえます。
言葉にできない感情を絵にするのは大変ですが、チャレンジしがいがあります。
悲しいから青、怖いから黒などの色で表現する方法は使い古されていますから、それとは違う方法で悲しみや怖さなどを表現できれば、分かる人には分かるので共感を得られるかもしれません。
ヒントになるように感情を表す言葉を列挙しますので参考にしてみてください。
- 喜び : 嬉しい、楽しい、笑い、幸せ、満足、爽快 - 怒り : 不愉快、不機嫌、我慢できない、叱る、文句を言う、怒鳴る - 悲しみ : 憐れ、同情、かわいそう、失望、ため息、嘆き - 寂しさ・喪失感 : 寂しい、虚しい、孤独、喪失感 - 恐怖・不安 : 心配、青ざめる、震える、憂い、心細い、鳥肌が立つ、恐ろしい、戦慄、不気味、躊躇、気遣い - 恥ずかしい : 情けない、赤面、屈辱 - 好き : 愛する、恋する、懐かしむ、欲する、好み、思いやり、憧れる、尊敬する - 嫌い : 嫌い、馬鹿にする、見下す、憎む、嫉妬、困る、戸惑う、苦笑する、飽きる、辛い、萎える、心が痛む、惨め、苦労、息苦しい、悩む、ため息をつく - 気分が晴れない・落ち込む : 憂鬱、だれる、がっかり、落胆、絶望、失望 - 退屈 : 我慢、諦め - 悔やむ : 後悔、悔しい、負い目を感じる、罪悪感、後ろめたい、恨む、惜しむ、悔やむ - 心が傷つく : つらい、苦しい、せつない - 興奮・気持ちが高ぶる : 気が急く、強張る、我慢できない、泣けてくる、感動、感心する、興奮 - 感動 : 感銘を受ける、心打たれる、胸に響く、印象に残る - 緊張 : 萎縮する、強張る - 心が乱れる : 乱心、苛立ち、焦る、じれったい、理性を失う - 安心する : すっきりする、和む、落ち着く、自信がある - 驚き : 慌てる、呆れる、ぼんやりする、予想外 - 泣く : 表情・口調: 笑う、笑み - 声・口調 : 歌声、叫び、唸り、笑い声、泣き声、怒声、呼び声、澄んだ声、濁声、掠れ声、大声、小声、太い声、細い声、高い声、低い声、強い声、軟らかい声、鳴き声 |
④文字や記号の使用:
文字や記号を使って抽象画を作ることもできます。
文字や記号を組み合わせてパターンを作ったり、文字を書いたり、色と形とのバランスをとることで、インパクトのある抽象画を作ることができます。
いろんな方向を向いている文字が一見、バラバラに見えるけど、色が同じものを追いかけると何かの単語になっているとか、メッセージになっているのも面白いですよね。
⑤テクスチャーの利用:
テクスチャーを利用することで、表面の質感を豊かにすることができます。
例えば、網目模様、波紋模様、木目模様、鉱物模様など、様々なテクスチャーを組み合わせることで、ダイナミックな抽象画を作ることができます。
テクスチャーというのは感触や質感、手触りという意味もあれば、布の生地、織り方という意味もあります。
表面がどういう状態になっているか、それに規則性があれば、ある特定のテクスチャーを持つといえます。
テクスチャーをもっと広く解釈して、ザラザラしたもの、ツルツルしたものを描くというだけでなく、実際にそういう素材を貼り付けてしまうというコラージュみたいな方法もあります。
薄い素材に限定する必要はないので、分厚いものを貼り付けて、立体的にするのもアリです。
⑥色のグラデーション:
ある色から別の色に移るグラデーションを使用することで、美しく洗練された抽象画を作ることができます。
色のグラデーションは、強い色彩や複雑な模様に溶け込んで、美しい印象を与えます。
ある色がある色に境目なく変化する様を感情の変化に例えるというのも面白いですよね。
辛い日々→夜明け→明るい未来、みたいな。
また人間は長所だけの人はいませんから、長所と短所の混じりあう様を色で表現するというのみアリですよね。
グループや組織の意見は対立することもあれば、複雑に入り混じることもありますから、それを色で表現するのは難しいけどチャレンジしがいがあります。
⑦ラインアート:
線で作られた単純な形状を使用して、アブストラクトな画像を作ることができます。
線の太さや長さ、色、形状などを組み合わせて、ダイナミックで面白い作品を作り出すことができます。
直線をひきたいときはマスキングテープが便利です。
百均でも売っています。3mで100円とか、中には3個組で100円だったりします。
マスキングテープの上まで塗って、後で剥がせばキレイな直線になっています。
これも程度によりますが、厳密に同じ模様を繰り返すのは結構しんどいので、適度にテキトーに散らして描くのもアリですよね。
⑧デジタルアート:
デジタルアートは、コンピューターソフトウェアを使用して作成されるアート形式です。
これにより、独自のアルゴリズムやプログラムを作成することができます。
デジタルアートは、効果的なグラデーション、精密な幾何学的形状、特殊効果を作成するためのフィルターなど、多くの可能性を秘めています。
A I で生成された画像を、さらにコピーして反復して並べて、幾何学的にするのもありだし、ランダムに並べるのもいいですね。
⑨キャンバスの形状:
キャンバスの形状を変更して、通常の長方形のキャンバスではなく、円形や三角形、楕円形などの形状のキャンバスを使用することができます。
これにより、抽象画にさらなる独創性と個性を与えることができます。
ある画家さんがキャンバスを貼り合わせて両面にしてたのを見たことがあります。
展示方法も特殊にせざるを得なくて、壁から直角に突き出るようにしていました。
さらに発展させれば、6枚を貼り合わせてサイコロ状にしたりもできますよね。
さて6枚を貫く一貫したテーマは何がいいでしょうか?
6という数字で真っ先に思いついたのは六道(ろくどう、りくどう)です。
六道とは仏教の思想において、死後に行く六つの世界のことです。
地獄道、餓鬼(がき)道、畜生(ちくしょう)道、阿修羅(あしゅら)道、人間道、天道の6つです。
それぞれを色で表すとしたら、あなたは何色にしますか?
話をキャンバスの形に戻します。
丸いキャンバスには円満、幸福のイメージが合いそうですね。
丸の中にあえてトゲトゲや鋭いナイフを無数に描くのもありかもです。
いっそハート型のキャンバスを作って、ラブラブなイメージ……ってベタ過ぎですね 汗
⑩超現実主義:
超現実主義は、現実的な描写と非現実的な要素を融合させたスタイルで、抽象画でも使用することができます。
リアルな描写に非現実的な形状、色、およびパターンを組み合わせることにより、奇妙な世界を創り出すことができます。
空中都市、地底に広がる巨大な空間と海と太陽、空飛ぶクジラ、サメが宇宙に行く、始点と終点が繋がった階段、溶ける時計、燃える氷、冷たい太陽、氷の火山とマグマ、パラレルワールドの自分と握手する、時間が逆行する世界……突拍子もないものを組み合わせたり反転させたりして、まずは遊んでみましょう。
そのうちピンと来るものが見つかるかもしれません。
補足
絵のテーマ探しはやろうと思えば、延々と永久に続けることができます。
壮大な構想の素晴らしい絵なんて夢を見ないで、手近なテーマでまずは「落書き」から始めてみましょう。
完璧なコンセプトやテーマが決まってから描き始めるのでは、いつまでたっても描けません。
コツは「走りながら考える」「描きながらドンドン修正していく」です。
絵を描くテーマやアイデア探しの一助になれば幸いです。
今回は以上です。